【レポート】大北地域ゼロカーボンミーティングを開催しました
令和6年9月18日に、大町合同庁舎講堂において「大北地域ゼロカーボンミーティング」を開催し、基調講演や講義、県の取組紹介等を行いました。
1 基調講演
県環境保全研究所自然環境部温暖化対策班 栗林正俊 「信州の気候変動の実態と将来について」
地理条件や気温・降水量(ハイサーグラフ)のデータ、観測事実から県全体や大町市の気温や積雪量などの説明がありました。
全球気候モデルにおいて、様々なシナリオにより計算された将来予測により21世紀末の気温は上昇し、日射量や降水量は増加する可能性があるとのことです。なお、21世紀末の長野市の気温は現在の鹿児島市と、大町市の気温は現在の津市と同程度となるとの説明もありました。
参加者からは、「テレビなどで見るが他人事だと思っていた、今やっている対策は効果があるか」といった質問などが挙げられ、「パリ協定など国家レベルで目標を定めて推進している。日本もゼロエネ住宅や再エネ促進など少しでも前に進めていくしかない」といった回答がありました。
2 講義
大町保健福祉事務所健康づくり支援課 保健衛生係 安藤千夏 「熱中症・ヒートショックについて」
熱中症やヒートショックがどういう時に起こりやすいかや、防ぎ方について説明がありました。
高齢になると体内の水分量が減るため、水分補給のために飲むタイミングが一目で分かる時間の目盛り付きボトルも有効であるということであり、また急激な温度変化を防ぐために、自宅の断熱性能を高めることやヒートショックが起きやすいトイレ・廊下などを暖めることが重要であるといった説明もありました。
3 取組紹介(動画上映)
白馬高等学校 「教室の断熱改修ワークショップ」
白馬高校生が自ら実施した教室の断熱改修ワークショップの様子を動画上映(一部編集)しました。
https://www.youtube.com/watch?v=B5HChXtTTy4
参加者からは、高校生が環境問題に関心を持つ素晴らしい経験をされていることを知り、胸が熱くなったといった意見や、取組の全国展開を望む声がありました。
4 県の取組
(1) 大町建設事務所整備・建築課 建築係 北村泰明 「信州健康ゼロエネ住宅について」
高い断熱性能を有し、県産材を使用したゼロエネ住宅により、光熱費の削減をしつつ健康面でも急激な温度変化が避けられるとのことであり、アレルギー性鼻炎などの有病率が低下したとのアンケート調査結果も示されているようです。
信州健康ゼロエネ住宅を知らなかったが興味が湧いたとの意見がありました。
(2) 北アルプス地域振興局総務管理・環境課 環境係 三村裕太 「県の支援制度等について」
既存住宅エネルギー自立化補助金や信州省エネ家電購入応援キャンペーン、管内市町村の補助制度
等について周知しました。
5 会場展示等について
会場には、長野県地球温暖化防止活動推進センターから貸出しを受けた啓発パネルやゼロカーボンブック冊子などを設置し、参加者には啓発物品としてエコバッグや環境配慮型ボールペン、熱中症対策として経口補水ゼリーを配布しました。