イベント

【レポート】ボードゲームでゼロカーボン体験しよう!<ゼロカーボンミーティングin長野>

エリア : 長野市

 令和7年2月8日、県立長野図書館 3階 信州・学び創造ラボにて2回目となる「ゼロカーボンミーティングin長野」を開催しました。
 令和6年度のテーマはボードゲーム。事前申込み制のブース1と、当日ふらっと参加可能なブース2の2つのブースを設け、ゲームを通して参加者の皆さんに“ゼロカーボンを実現するとはどういうことなのか?”を疑似体験していただきました。

■ブース1 「ボードゲームdeカーボンニュートラル」をプレイしよう!
 ブース1では、ゲームのナビゲーターとして、大阪から国際航業株式会社の今田大輔さんをお招きし、2024年10月に同社がリリースしたばかりの「ボードゲームdeカーボンニュートラル」を36名の皆さんにプレイしていただきました。

「ボードゲームdeカーボンニュートラル」は、6人で1つの国をつくり、メンバー全員で協力して、ゲーム終了時(2050年)までに、
①平均気温上昇を1.5℃以内に抑える
②カーボンニュートラル(排出量≦吸収量)
③手持ちの資金の合計を増やす(経済成長)
のすべてを実現することを目指すゲームです。

プレイヤーは、「電力会社」「自動車メーカー」「IT事業者」「農林業関係」「環境NPO」「行政」の6つの役のいずれかになり、自分のターンがくると、“組織”と“家庭”におけるアクションカード(例:電気自動車の普及、食品廃棄物の活用)を選択していきます。
どのアクションカードを選択するかによって、CO2排出量や手持ち資金の増減が大きく異なるので、どんな結果になるかを想像して、周りの人と戦略を相談しながらゲームを進めていくことになります。
参加者の中には、実際に「電力会社」「自動車メーカー」などに勤めている方もいらっしゃり、各グループでは、日ごろの仕事の話などを交えて、大いに会話が弾んでいました。(初対面の人ばかりが集まるグループとは思えないほど!)

2025年からゲームを開始して、25ターン進めると2050年。
ゲームの結果はグループによってまったく違うものとなりました。カーボンニュートラルを実現して、経済成長を実現できたグループもあれば、排出量が削減し切れなかったグループ、資金が底をついてしまったグループもありました。

参加者からは、
・排出量を1番最初にどんどん減らしていけるようにみんなで話し合いながら、早い段階で排出量0にできたのが上手くいった理由だと思う。
・1人じゃできないことだらけで、みんなで協力して、みんなでプラスマイナスしながらできたのが良かったと思う。
・行政も環境NPOもお金がなく、最後はお金を出せなくなってしまった。一生懸命やったのに、今振り返っても何が悪かったのか分からない…。
・意外と農林業分野の吸収量への貢献が大きく、排出量を減らすことができた。
・長野県は一次産業、農業、林業が疲弊してしまっているけれど、しっかりと一次産業で稼ぐことができるようになれば、それが経済効果にも、CO2排出量の削減にも繋がるんだということがゲームを通じて分かった。
といった感想の声をいただきました。
「早い段階での排出量0が成功のカギ」「1人じゃできないことだらけ」「一生懸命やっても思いどおりにいかないこともある」などなど、この感想はゼロカーボンの実現に向けて、現実世界にも正にあてはまることだと思います。2時間という限られた時間でしたが、ボードゲームを通じて、ゼロカーボンを達成していく過程を参加者全員で共有できたことが、今回のゼロカーボンミーティングの成果の1つだったと思います。

最後に、ナビゲーターの今田さんからは、「組織と家庭が同じスピード感で動くことが重要。そんなことは行政がやればいい、大企業がやればいいという話ではなく、みんながやらないとゼロカーボンは達成できない。」という言葉がありました。ゲームを体験したことで、その言葉がより身に迫るものとなりました。

■ブース2 当日参加OK!子どもも大人も一緒にゲームしよう!
ブース2は、誰でも気軽に立ち寄れるゲームブースとして、「ゼロカーボン」をテーマとしたボードゲーム、すごろく、かるた、ぬりえなど多数のゲームを用意しました。
開催当日、長野市内はこの冬一番の大雪になってしまいましたが、小・中学生、赤ちゃん連れのご夫婦など、たくさんの方がブースに立ち寄ってくださいました。
それぞれ好きなゲームを選んでプレイしていただきましたが、一番人気だったのが「温暖化防止すごろく」、その次に人気だったのが「ごみゼロゲーム」です。
「温暖化防止すごろく」は、止まったマスによってCO2メーターが増えたり減ったりするすごろくです。個人対戦型の“家庭編”と協力型の“まちづくり編”の二部構成になっており、家庭編ではCO2メーターが1番少ない人が勝ち、まちづくり編では全員でCO2メーター“ゼロ”を目指します。子どもから大人まで手軽に楽しめて、「1人では達成できない」を体感できるところが人気の理由だったようです。

「ごみゼロゲーム」はペットボトル、壊れたカバン、パンの袋など、そのままではごみになってしまうものを“救う方法”や“そもそも使わないで済ませる方法”を考えるボードゲームです。プレイした人たちからは「“短くなった鉛筆”は何本も集めて合体して使う!」「“かかとのすり減った靴”は犬のおもちゃにする!」など、次々にアイデアが飛び出しました。中学生から「ゲームを買って友達ともプレイしてみたい!」という嬉しい感想もいただきました。

 雪が絶えず降り積もる中でしたが、65名の方にお集まりいただき、「ゼロカーボンミーティングin長野」は盛況のうちに終了となりました。ゲームを通して感じたことやゲームで知ったゼロカーボンアクションを、日常生活の中でも思い返していただければ嬉しいです。

“くらしふと”したくなったら